強引な勧誘による契約はクーリングオフで解約しよう

子供の教室や、趣味の教室などでも、初回無料とか、無料体験とかで新規客を釣るというのは、珍しくありません。

通常は、一回体験してもらって、気に入ったら、来てくださいねーと、パンフレットと申込書を渡されて、おしまいでしょう。後に勧誘電話くらいはあるかもしれませんけど、「やっぱりやめときます」といえば、それで終わりです。

しかし、なかには悪質なところもあるのです。

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無料体験で契約を強要する悪徳業者

私の甥っ子は、大学をもうすぐ卒業するのですけど、将来の進路に色々選択肢を残しておこうと考えたのか、公務員試験講座の無料体験に行ってきたらしいのです。

タダだし、あっちこっち気軽に回ってみようーと思ったんでしょう。

ところが、体験後、あれこれと勧誘を受けて、強引に書類にサインさせられたとのこと。申込金の持ち合わせがないといえば、100円でいいからおいていけ、と。

話を聞いた父親(私の弟)が、パンフレットにさりげなく挟まっていた書類を見つけて読んでみると、もう契約したことになっていて、残金を月末までに払うということになっていたそうな。

そして、講座の費用の残金が、何十万ということになっていたのでした。

まあ、大激怒です。

クーリングオフで契約解除しよう

甥っ子がその塾を気に入って、本当に受けるつもりなら、そのまま通えばいいじゃないの? と思ったのですが、無料体験してみて、大して乗り気にもなれなかったとのこと。費用も高いし。

弟から相談を受けまして、すぐにすべきはクーリングオフだなと思いました。

5万円2ヶ月を超える学習塾のような特定継続的役務提供の場合、中途解約はできますが、クーリングオフは法定書面発行から8日以内ということになっています。(書面発行がなければ期限なし)

クーリングオフはFAXやメールで申し入れ、ついでに電話もかけて、後に証拠が残るように、会話内容は録音しておくのがよいです。(証拠を残すという意味では内容証明郵便が一番確実でしょう)

気弱にサインさせられた本人が、会社に解約を申し込みに行ったりしたら、きっとまた強引にあれこれ説得されて、結局契約して帰ってくるでしょう。さらに高いコースに変更させられるかもしれません。

せっかく無料で体験させてもらったのだし…と、良心がとがめて、顔を合わせて誠心誠意お断りするべき、と一般的小市民は思ってしまうかもしれませんが、それは「返報性の法則」という心理学を悪用しての悪徳業者の常套手段ですから、まんまとハメられませんように。

解約するのに相手のホームグランドへは、けっして、行くべきじゃありません。

弟は、100円は自宅まで返金に来させたる! と、息巻いておりました。弟は無理を通して道理を引っ込めるタイプなので、本当に持ってこさせるかもしれませんけど、通常は難しいと思います。

評判を検索しよう

弟から、会社名を聞きましたので、すぐに検索をかけると、あら、でてくるでてくる。悪評が。

運営会社は「リンクアカデミー」という会社で、以前にも、近畿経済産業局から特定商取引法に基づく業務改善を指示されています。(特定商取引法では、パソコン教室や語学教室、学習塾などが契約を勧誘する際や契約の解除を妨げるために、事実と違うことを告げることや故意に事実を告げないこと、相手を威迫して困惑させることを禁止しています。)

以前に業務改善を指示されたのは、この会社が運営する「アビバ」というパソコン教室だったようですが、今回は公務員講座で同じような勧誘をしているというわけです。

懲りない会社なんですねえ。

ホームページを見てみると、真面目そうな印象の、充実した内容のよさげな会社に見えました。

>>資格スクール大栄|公務員試験対策コース

こんなのは、ホームページ作成業者が上手に作るのであって、実態を表せているわけではありません。

士業の資格講座などの悪徳ぶりはよく聞くところですし、エステや脱毛サロンなどの評判も、そんなの多いです。まずは検索ですね。「○○ 評判」「○○ 勧誘」などというふうに検索すると良いでしょう。

悪徳業者は消費者センターに電話しよう

クーリングオフと同時に、消費者センターにも電話するべし、と弟にはアドバイスしました。

消費者センター(消費生活センター・国民生活センターなど)は、話がこじれたときの脅し文句に使うのではなく、躊躇せずに、とっとと通報するところです。ここでは、悪徳会社のデータを取ってますし、消費者に代わって連絡してくれることもあります。

相談窓口>>独立行政法人国民生活センター

以前、介護の仕事をしていたとき、お客様の老人たちが、詐欺みたいな押し売りにしょっちゅう引っかかっていたので、ここに電話するのには、私は何の抵抗もありません。

もう、職務だと思って、どんどん電話していました。バンバン通報しましょう。

事件の顛末

弟は、私のアドバイスに従い、電話で解約を申し入れました。

モンスターピアレンツ風、というより、ほとんどヤクザみたいなヤカラな物言いで強気で出たところ、先方は担当者が変わり、超絶に丁寧な対応になったということです。(注※本当のヤクザは計算高いので恐喝するにしても丁寧な口調だったりします)

たぶん、こういう相手にはこう対応せよと、会社にマニュアルが有るのでしょう。悪徳業に年季が入った会社のようですから、クレーム対応もぬかりなくやっているはず。

ビジネスとして考えれば、めんどくさそうな相手はとっとと切り捨て、気弱で人の良いカモだけ狙ったほうが効率的です。ガラの悪いヤカラなんて、全体の割合から見たら数%くらいのものでしょうし。

淡々と事務的に丁寧に受け答えしてくれたそうですが、100円もって来い!というのは先方も想定外だったようで、折返しの連絡で、現金書留となりました。(振込口座を教えるのを弟が拒否した)

さらに、そのうえで、消費者センターにも通報です。容赦ないなあと思いますが、悪徳業者をのさばらしていては、被害者が増えるばかりですから、被害を受けた者は、社会のために情報提供するべきですね。(まだ被害は受ける前でしたけど)

世の中、悪い人はいるのだと、甥っ子も勉強になったことでしょう。勉強熱心で真面目な方も、用心してください。

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