株式投資といえば、パソコンを何台も並べたデスクにへばりついて、売ったり買ったりを繰り返すデイトレードをイメージしてしまいがちですが、あれは投資というより投機ですね。
株式投資というのは、応援したい企業にお金を投資して、業績を上げてもらっておこぼれをいただくというのが本来あるべき姿です。(と、証券会社に勤めていた友人が言ってました。)
好きでもない、経営不安定で株価が上がったり下がったりしている企業の株式を、下がれば買う、上がれば売る、なんて繰り返すのは、なんの応援にもなっていないし、経済活動ともいい難いんじゃないでしょうか。
人に価値を与えていないし社会の役にも立ってもいないと思います。
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大型安定株とは
株式投資で世界一の大金持ちであるウォーレン・バフェットは、株を買うことは会社の一部(または丸ごと)を買うことだってことで、買った株は生涯持ち続けるそうです。
そんなウォーレン・バフェットさんが買うのは、実績があって安定していて、消えることのない会社の株です。コカコーラの大株主だというのは有名な話ですね。
アップルなどのIT関連企業の株に手を出したのは、ごく最近の話。ITなんぞ信頼するに足らないと考えておられたようです。
ウォーレン・バフェットさんでもそうですから、株の素人は、いきなりなんだかよくわからない会社の株に手を出すべきではないし、デイトレードなぞするべきではありません。
でっかい信用できる会社の株を買って、ずーっと持っておきましょう。
東証一部上場などの有名企業で、取引量が多く、価格が下がりにくい、時価総額3000億円以上、できれば1兆円以上の株式を発行している大手の会社が良いです。
そのうえで流動性の高い銘柄がおすすめ。
ウォーレン・バフェットは日がな一日、四季報など読み込んで会社の経営状況などを研究しているそうですが、そんなヒマも知恵も情熱もない一般市民の我々は、「Yahoo!ファイナンス」を見てみると良いです。
こちらから月次の時価総額上位ランキングを見てみます。
個別の銘柄のチャート画面を開くと、出来高の推移をチェックできます。
一株あたりの株価が高く、単元株数が多いと、かなりの資金が必要になりますが、単元株が小さければ、10万円や20万円で買えます。
少ない資金で買える大型安定株は、NTTドコモ、JT、日本郵政、シャープなどがあります。
それっぽっちの株式保有ですと、配当は少ないですけど、株主総会のご案内は来ますので、会社に関わっているんだなあと、実感できますよ。
買ったり売ったりして儲けるような銘柄じゃないですが、年利1%~3%程度の配当金があったり、その会社の商品や商品券などの株主優待があったりします。
長期保有していれば、そのうち投資のもとは取れるでしょう。
株価の変動は少ないので、毎日毎日チャートを見る気もおこらず精神衛生にもいいです。
注目の大型安定株
大型安定株を探すポイントは、今後の成長戦略にもあります。
前期や今期の業績にとらわれず、今後どういった活動をしていくのか、時代にあわせて変化していっているのか、そういうところも考慮するのが良いでしょう。
ただ、これは経済や業界に明るくないとわからない世界ではあります。
経済専門家が株でボロ儲けという話もあまり聞かないので、実のところ難しい世界ですね。
一例を上げておきますと、注目したい大型安定株は、次のようなところ。
(データは2017年1月時点です。)
マツダ(東証1部7261)
時価総額 約9000億円。
配当利回り 2.28%。
PER 9.1倍
PBR 0.93倍
予想ROE 10.20%
一時は低迷してフォード傘下に入ったりもしておりましたが、スカイアクティブテクノロジーが好調。
ディーラー店舗もトラック屋から高級路線にシフトしていっています。
伊藤忠商事(東証1部8001)
時価総額 約2兆3000億円。
配当利回り 3.9%。
PER 6.3倍
PBR 1.02倍
予想ROE 16.20%
2016年に三菱商事を抜いて業界トップの大手商社。
配当利回りが高いです。
TOTO(東証1部5332)
時価総額 約7000億円。
配当利回り 1.62%。
PER 21.1倍
PBR 2.70倍
予想ROE 12.80%
便器の会社のイメージですが、住宅全体のリモデル戦略のほか、アジア・オセアニアでの事業展開を目指しています。燃料電池のコア部分の開発製造は今後に注目。
東日本旅客鉄道(東証1部9020)
時価総額 約3兆6000億円。
配当利回り 1.40%。
PER 13.5倍
PBR 1.41倍
予想ROE 10.50%
鉄道運輸の収益が7割、駅スペースを活用した事業やオフィス事業も安定。
投資にはリスクがあります
大型安定株はリスクが少ないように思えますが、何事も絶対はありません。
JALとか、東電とか、三菱自動車とかの例があるように、まさかの大暴落はありえます。
業界の大きな変化もありましょうし、企業の不祥事や大事故もありますから。
投資は自己責任で。
すべて失っても死なない程度にしておきましょう。